詐欺?騙された?~あなたは「水あめ2万円」を高いと思いますか?

ボトル

15年ほど前に、本当にあった話です。

 

義理の祖母(当時92歳くらい)から麦芽水あめを1瓶、夫経由でもらいました。

なんでも2つ2万円で、訪問販売の若いお兄さんから購入したとか。

うーと

水あめが1瓶1万円!?

 

 

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麦芽水あめとは

そもそも私は、「麦芽水あめ」を知りませんでした。

麦芽水あめは、その名の通り麦芽糖(マルトース)の甘みを楽しむもので、砂糖を使わないで(砂糖を使った「水あめもどき」もあるようですが)、大麦・甘藷・麦芽・米(今はジャガイモが主流のようです)などから作られています。

昔は、病気の方の栄養補給などにも使われていたそうで(そもそも砂糖は高価だった)、砂糖などに比べ血糖値が緩やかに上昇することや、自然な甘みがあることもあり、近年の健康志向の影響でまた人気が出てきているようです。

うーと

美味しいとは言えないけどね…。

 

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祖母は騙されたのか

さて、本題に戻ります。

かなり前の話になるので、1瓶の量がどれくらいだったかと聞かれるとはっきりとは覚えていませんが、よくあって1瓶1キロくらいだと思います。

少し大きなジャムの瓶くらいでした。

それが2つで2万円です。

※上記は参考です(祖母が買ったのはこの会社のものではありません)

そもそも、祖母が買ったものはラベルも何も貼っていない透明な瓶に入っていて、中身が何なのか聞かないとわからないようなものでした。

 

怒り心頭

当時の私は、「祖母が騙された!」という怒りでいっぱいになりました。

もしかしたら本当にいいものかもしれないけど、それでも1瓶1万円はあまりにも高い!

高齢者を狙った詐欺だ!

私はそう思ったんです。

 

でも、夫の考えは私とは違っていました。

「ばぁさんのお金じゃけんええんじゃない?」

 

えぇ!?

いやいやいやいや!

それで調子に乗ったその若い兄ちゃんが、その辺の(本当に詐欺だったらもうその辺にはもう現れないだろうけど)お年寄りをどんどんターゲットにして被害者増えるじゃん!

今回は水あめ2万円ですんだけど、この先もしかしたら何百万のものを契約させられるかもしれんやん!

 

祖母の気持ち

夫によくよく話を聞くと、「ばぁさんはとっても嬉しそうだった」と言うのです。

夫が祖母の家(祖母・義母の2人暮らし)に行ったら、祖母はそのお兄さんとの思い出話?を嬉しそうに話してきたそうです。

なんでも祖母は、そのお兄さんと2時間以上世間話(というか祖母が一方的にいろいろ話したのを、お兄さんが聞いていただけだと思われる)をしたそうで…。

 

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詐欺ってなんだろう

私はその祖母のことが大嫌いでした(4年前に亡くなりました)。

祖母は、息子(私の義父)のお葬式に来てくれたお友だちよりも、議員さんからの電報を喜ぶような、本当に昔の考え方のまま変わることがない人でした。
(このブログを読んでくださっている方は若い方もいらっしゃるでしょうから、なかなか想像がつかないかもしれませんが、祖母は大正元年生まれで、田舎から出たことがない人だったので、仕方がないのかもしれません)

祖母の話は自慢話・グチ・昔はよかった…といった内容ですから、若い人が祖母の話を真剣に聞いてくれる、話し相手になってくれるなんてことはなかったのではないかと思います。

つまり祖母は、水あめにではなく、お兄さんに2万円払ってもいいと思ったのではないでしょうか?(水飴は孫に分配されたので本人はいらなかったと思われる)

 

2万円払うだけの価値があった

そう考えると納得がいきます。

  • ホステス・ホストさんとの会話に2万円
  • アイドルの握手会に2万円

これらと同じ感覚で、祖母は、水あめに2万円を払ったのではなく、優しく話を聞いてくれたお兄さんに2万円払ったのです。

うーと

水割りが飲みたいわけでも、CDが欲しいわけでも、水あめが欲しいわけでもないんです。

本人が詐欺だと思っていないのであれば、外野が何を言ったところで仕方がないのかもしれません。

それに、あの祖母の話を2時間以上ニコニコしながら聞くなんて、かなり大変だったと思います。

うーと

私にはムリです。

 

今となっては詐欺ではなかったと思う

当時はいろいろモヤモヤしましたが、今は「祖母が楽しかったのならいっか」と思えます。

以前は、たとえ祖母が楽しかったとしても2万円って!と思っていたのですが、他人がどの部分に自分のお金を使おうと自由なんです。
※税金とかは別です(そもそもそれは自分のお金ではないし)

私からしたら、2時間話を聞いてもらうだけで2万円は高いと思いますが、誰も話を聞いてくれない祖母からしたら2万円払う価値があったのではないでしょうか?

 

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詐欺との境界線

「本物の水あめが欲しくて高いお金を出して買ったのに、砂糖入りのエセ水あめだった」

…詐欺だと思います。

「聞きたくないセールストークを長々と聞かされて、何が何だかわからないまま買わされた」

…詐欺だと思います。

 

よく、「上手な詐欺師は、騙されたことに気付かせないように騙す」と言いますよね。

今回のように、相手に気付かれなかったら(相手が詐欺だと認識しなかったら)騙していいのか?といったらそうではないとは思います。

 

もしも水あめが10万円だったら

今回の件、これが水あめ1瓶10万円だったらどうだったでしょう。

これはあくまで想像ですが、祖母の場合、「それはよー買わんけど、せっかく来てくれたんじゃし」と言って数千円~1万円ほど駄賃を渡していたと思います。

そう考えると、1瓶1万円という金額はなんともうまい値段設定で、「やっぱり詐欺やないかーい」という気もしないではないです。

でも、お兄さんが祖母の話をあまり聞かないで一方的に話しかけていたのなら、祖母は水あめを買わなかっただろうし、駄賃も払わなかったと思います。

「本人が納得すれば詐欺ではない!」というのは違うと思いますが、この祖母の件に関しては、本人が満足していることで充分なんだと感じました。

 

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最後に

「あの人騙されているんじゃないかな?」そう思ったとき、命や健康・その人の今後の生活に大きく関係するようなことで、本当に「その人のことを思って」というのであれば、伝えたほうがいいと思います。

ただ、伝え方は大事です。

また、ちょっとしたことで、詐欺だなんだとまったく内情を理解していない人(今回の私)が、騒ぎ立てるのは違うんじゃないかな。と思いました。

今回の場合は、私が「本当はその人(祖母)のことを思っていたわけではなく、ただ感情論を述べていた。」ということではないでしょうか。

 

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