以前、「髪にいい食べ物・飲み物」でも紹介した大豆イソフラボンは、髪の毛はもちろんアラフォー女性にオススメの成分です。
ここでは、
- 大豆イソフラボンがどうして女性にオススメなのか
- 大豆イソフラボンを摂取する方法
- 大豆料理レシピ
- 大豆イソフラボンは本当に効くのか
などについてまとめました。
大豆イソフラボンとは?
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽(芽になるところ)部分に多<含まれる抗酸化物質の1種です。
女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と似た化学構造をしているため、更年期の女性や、ストレス・出産等でホルモンのバランスが崩れている女性に注目されています。
女性ホルモン「エストロゲン」とは
エストロゲンは女性のからだや女性らしさや、女性の病気と密接に関連していることから通称「女性ホルモン」と呼ばれている卵巣で作られるホルモンです。
女性としての体型や生殖機能に関係するものであり、エストロゲンの分泌の乱れが月経の異常、不妊、更年期障害、子宮の病気などの原因を引き起こすことで知られています。
また、それだけでなく、骨をはじめ血管、脳、筋肉など全身の多くの臓器や組織の機能に影響し、さらに糖や脂質の代謝にまで関係することが明らかになってきました。
【参照】エストロゲンと女性のヘルスケア 生殖と健康の鍵を握るホルモンの謎 (産婦人科学読本)
エストロゲンの役目
- 女性らしい身体をつくる(生理・妊娠の準備など)
- 肌や髪をツヤツヤにする
- 自律神経を安定させる
- 骨を丈夫にする
- 脳の働きを活発にする
- コレステロールの増加を抑えて動脈硬化を防ぐ
- 膣や膀胱の伸縮性や自浄作用を高める
エストロゲンが減るとどうなる
- 自律神経が乱れる
- 肌や髪のツヤがなくなり、抜け毛が多くなる
- 骨粗しょう症にかかりやすくなる
- 認知症のリスクが上がる
大豆イソフラボンが含まれる食品
日本には「伝統的な大豆食品」として、豆腐、豆腐加工品、ゆば、納豆、きな粉、豆乳、おから、煮豆などがあり、また大豆を原料とする調味料としてみそ、醤油などもあります。
これらすべての大豆製品に大豆イソフラボンが含まれています。
食品100g中の大豆イソフラボン(アグリコンとして)の含有量
食品名 | 平均含有量(mg) |
---|---|
大豆 | 140.4 |
煮大豆 | 72.1 |
揚げ大豆 | 200.7 |
きなこ | 266.2 |
豆腐 | 20.3 |
凍り豆腐 | 88.5 |
おから | 10.5 |
金山寺みそ | 12.8 |
油揚げ類 | 39.2 |
納豆 | 73.5 |
味噌 | 49.7 |
醤油 | 0.9 |
豆乳 | 24.8 |
【参考】:厚生科学研究(生活安全総合研究事業)食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)より
大豆イソフラボンアグリコンとは
大豆や大豆食品中に含まれる大豆イソフラボンは、主に配糖体として存在していますが、糖部分が分離したものをアグリコンといい、伝統的な大豆発酵食品中に含まれます。
また、ヒトが摂取した大豆イソフラボン配糖体は、腸内細菌の作用等により、大豆イソフラボンアグリコンとなり、腸管から吸収されます。
大豆イソフラボン配糖体から、大豆イソフラボンアグリコンに換算する場合、配糖体とアグリコンとの分子量の比から求めることができます。
個々の食品に含まれる3種類の大豆イソフラボンアグリコンの量は分析しなければわからないため、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」(案)中では、原則として、3種類のアグリコン中一番エストロゲン活性の高いゲニステインの換算値(約0.625)を用いて換算しております。
(例)大豆イソフラボン配糖体10mg×0.625 =大豆イソフラボンアグリコンとして 6.25mg
つまり、表記が、
- 大豆イソフラボン:10mg
- 大豆イソフラボン(大豆イソフラボンアグリコンとして):6.25mg
となっていた場合、どちらも同じくらいの大豆イソフラボン量ということになります。
約1食分の大豆イソフラボンアグリコン含有量(mg)
100g中の表記だとわかりにくいので、だいたい1食あたりどのくらい大豆イソフラボンアグリコンが含まれているかをまとめてみました。
納豆や豆腐など商品によって多少のバラつきがありますが、私の家の近くで売られている商品の重さを目安にしていますので、あくまで参考程度にしてくださいね。
納豆 | 1パック(40g) | 29.4mg |
---|---|---|
豆乳 | 200ml | 49.6mg |
豆腐 | 1/2丁(150g) | 30.5mg |
油揚げ | 1/2枚(75g) | 19.6mg |
しょう油 | 大さじ1(18g) | 0.0mg |
きな粉 | 大さじ1(7g) | 18.6mg |
みそ | 大さじ1(18g) | 8.9mg |
しょう油にも多少含まれていますが、しょう油で大豆イソフラボンを摂ろうとすれば塩分過多になってしまいます。
1日の摂取量(目安)
大豆イソフラボンアグリコンの1日の摂取量は40~50mgです。
そのため、豆腐とお揚げが入ったお味噌汁を1日1杯飲むだけでも充分な量を摂取することができます。
しかし、大豆イソフラボンは、摂取してから1日でそのほとんどが体外に排出されてしまいます。
※個人差はあります
大豆食品は良質な植物性たんぱく質でもありますから、毎日欠かさず摂取することが大切です。
過剰摂取・副作用について
厚生労働省のHPには、
と書かれていますし、食品として大豆製品をとる分には問題ないように思います。
しかし、内閣府食品安全委員会では下図のように、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値70〜75mg/日と、特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値30mg/日(いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)を定めています。
※参考:内閣府食品安全委員会
意識して大豆料理を毎日多く摂りつつ、サプリメントなどでも補給するのはやりすぎです。
「今日は大豆をまったく摂らなかったなぁ」というときに、サプリを飲む。など、あくまでサプリは補助的な役割として使うのがオススメですよ。
※ただし最後に詳しく説明しますが、大豆イソフラボンを食事からうまく摂取出来ない人にはサプリメントがオススメです
大豆イソフラボンを効率よく摂取するメニュー
大豆イソフラボンを摂りたいからと、冷ややっこばかり食べるというのではなく、バランスよく、その他の栄養素と一緒に摂るのがオススメです。
そうすることで相乗効果も期待できます。
髪の毛(抜け毛・薄毛)が気になる方のレシピ
髪の毛のためには、
- 良質なタンパク質(豆腐)
- 亜鉛(牡蠣)
のセットがオススメです。
お肌が気になる方のレシピ
お肌のためには、ビタミン類を多くとるのがオススメです。
- 良質なタンパク質(豆腐)
- ビタミン&タンパク質(たまご)
- ビタミン(野菜)
更年期のイライラが気になる方のレシピ
イライラや、更年期以降に特に注意が必要な骨粗鬆症の予防のためにも、カルシウムも合わせて摂りましょう。
大豆製品にはカルシウムも豊富ですが、カルシウムは吸収率が悪いです。
そのため、カルシウムの吸収率を上げるビタミンDも一緒に摂るようにしましょう。
- カルシウム(豆腐・魚・海藻・小松菜など)
- ビタミンD(レバー、いわし、かつお、さんま、ぶり、鮭などの魚類や卵黄)
大豆を食べればエストロゲンが増えるのか
大豆や大豆製品など、大豆イソフラボンは手軽に摂れるものに多く含まれていますが、大豆イソフラボンの恩恵を受けられる人と、そうでない人がいるという研究結果もあります。
大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが、腸内細菌によって代謝されて生み出される成分エクオールが重要で、そのエクオールを生み出すには、エクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌が必要不可欠です。
しかし、日本人の約50%はエクオール産生菌を持っていないというのです!
そのため、大豆イソフラボンを気にしてしばらく摂っても効果が感じられない人や、大豆製品が苦手な方は、直接サプリメント等でエクオールを摂取するのがオススメです。