40代も半ばにさしかかると、strong>更年期という言葉が身近になってきました。
最近は早い人で30代後半から更年期障害の症状が出る人もいるようです。
今年45歳になる私は、更年期チェックを受けたら71点でした。
※100点に近いほど更年期障害の程度が高い
更年期障害とは
一般的には、45歳~55歳の約10年間を「更年期」と言います。
※最近では30代後半~40代前半で始まる人もいます
更年期障害とは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少し、ホルモンバランスが保てなくなることで起こる体や心の不調のことです。
女性ホルモンのバランスが崩れると、自律神経が乱れ、
- 身体的ストレス
- 心理的ストレス
など、様々な不調が起こります。
更年期障害の症状
更年期の症状は人によって様々です。
精神神経系
くよくよしたり、憂鬱になったかと思えば、怒りやすくなって、イライラしてしまったりと感情のコントロールが難しくなる人が多いようです。
また、寝つきが悪い、眠りが浅い、など薬を必要とするほどではないけれど、なんだかスッキリしない。という症状もあります。
私はこれらの症状すべてに当てはまります。
最近、頭がスッキリして身体が動く日は、月に数日しかありません…。
血管運動神経系
顔がほてったり、汗をかきやすいといった症状が出る一方で、手足・腰が冷えやすいなどの症状が出ることもあります。
また、動悸や息切れもよく出る症状です。
私は、冷えと汗については随分前からひどい状態ですが、それは更年期とは関係ないような気がします。
これらの症状があるからといって、すべてが更年期のせいというわけではありません。
皮膚・分泌系
お肌に限らず、乾燥しやすくなり、乾燥による湿疹がみられることもあります。
もちろん頭皮も乾燥しやすくなります。
消化器官系
生理前、排卵日前後は食欲がなくなります。
運動器官系
泌尿器・生殖器系
出産してからというものこの辺りの症状はいろいろと…
更年期障害で髪の毛が抜ける
更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することによってホルモンバランスが保てなくなることが原因なのですが、その女性ホルモン(エストロゲン)には、髪の毛の成長を促す働きがあります。
エストロゲンの分泌が減少すると、成長期が短くなり、髪の毛の生えない休止期が長くなります。
すると、髪の毛が細くなったり、髪の毛の色が薄くなったり、髪の毛が抜けやすくなったり…といった、薄毛症状が起こりやすくなるのです!
女性の場合、男性のように部分的に薄くなるという抜け方ではなく、全体的にまんべんなく抜けていきます。
そのため初期段階で気が付きにくく、自覚が出たときにはかなり症状が進んでしまっていることが多いのです。
更年期を乗り切る方法
更年期には、抜け毛だけでなく様々な症状が起こり、ひどい場合、日常生活に支障をきたすこともあります。
更年期障害で病院にかかることは決して珍しいことではありません。
抜け毛の原因が更年期にある場合、まずは自分で出来るところからはじめるのがオススメです。
食事、運動、サプリメント、漢方・医薬品など、比較的取り入れやすいものから、少しハードルが高いものまでさまざまなものがあります。
バランスのよい食事をとる
バランスよく栄養を摂るのはもちろんですが、オススメは、女性ホルモンと似た働きをする成分として注目されている「大豆イソフラボン」です。
大豆には食物繊維・オリゴ糖・カルシムなども含まれていますし、美容・ダイエットにも人気の食材ですが、「ただ大豆だけ食べていればいい」という極端な食生活はNGですよ。
何事も適量が大切です。
有酸素運動
以前はあまり注目されていなかったのですが、近年、適切な運動習慣が更年期に有効であることが明らかになってきました。
有酸素運動をうまく取り入れることがポイントです。
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ダンス、水泳など、長時間継続して行う運動
有酸素運動を軸に、無酸素運動を組み合わせたおすすめプログラムは、
- ストレッチ:5分
- 有酸素運動:20~40分
- 無酸素運動:5~10分
- ストレッチ:5分
※無酸素運動とは、筋トレや全力疾走・全力水泳など長時間続けることが難しい運動です
これらを、ムリのない程度に毎日…が理想ですが、なかなか難しいですよね。
しかし、最低でも週に3回は行いましょう。
有酸素運動や無酸素運動の内容は、自分の好きな運動を選ぶことが長く続けるコツです。
続けることで、更年期障害だけでなく、生活習慣病の予防にもなりますよ。
サプリメント
比較的取り入れやすいので、食生活が乱れがちな方には特にオススメです。
大豆(イソフラボン)
女性ホルモンと似た働きをする成分として注目されている「大豆イソフラボン」は、更年期症状が改善されるというわけではありませんが、積極的に摂取したい成分の一つです。
心血管系に良い影響を与え、骨代謝も改善が期待できるとされています。
大豆イソフラボンを摂る方法【女性のための豆腐料理レシピまとめ】
レッドクローバー
ヨーロッパが原産の多年草で、浄化のハーブとして古くから、がんや、百日咳、喘息、気管支炎などの呼吸器疾患治療に使用されていたものです。
レッドクローバーには、エストロゲンに似た化合物「植物性エストロゲン」が含まれているため、更年期障害、月経周期に起因する乳房痛、高コレステロール血症、骨粗鬆症に対する民間療法(伝統療法)として今でも使われています。
大豆と同様、安全性も高いとされていますが、その効果は科学的に証明されていません。
ブラックコホシュ
北米に分布するキンポウゲ科の植物で、アメリカ先住民の医療で用いられ、リウマチ(関節炎痛や筋肉痛)の家庭薬として使用されていたものです。
現在では、月経不順、月経前症候群、分娩誘発、顔面紅潮(ホットフラッシュ)、寝汗、膣乾燥などの更年期症状に対する民間療法(伝統療法)として使用され、
- 女性ホルモンのバランスを整える
- 更年期のほてりを軽減する
と、欧米で人気の更年期症状緩和サプリメントです。
しかし、こちらも科学的根拠はありません。
ザクロ【注意!】
「天然のエストロゲンが含まれ更年期症状を緩和できる」と一時期ブームになりましたが、国民生活センターの調査によると、当時販売していた10社の商品(ドリンク・サプリメントなど)からはエストロゲンが検出されませんでした。
●参考:国民生活センター
乾燥種子に微量のエストロンが含まれることは証明されていますが、ザクロ果実エキスに関する科学的根拠はありません。
ローヤルゼリー
ミツバチが女王蜂のために作る特別なごちそうが、ローヤルゼリーです。
ローヤルゼリーのおかげで、女王バチは働きバチよりも体が大きく、長く生きることが出来ます。
ローヤルゼリーには、たんぱく質、ブドウ糖、ビタミン、ミネラルなど多くの栄養素が含まれていますし、さらに更年期障害の治療・対策に効果的だといわれる成分、
- デセン酸(エストロゲンに近い働きをする)
- アセチルコリン(自律神経のバランスを整える)
- アミノ酸(女性ホルモンの分泌を助ける)
なども含まれています。
プラセンタ
プラセンタは、胎盤から抽出した成分です。
更年期障害や慢性肝炎などに効果があるといわれていて、更年期障害の処方箋医薬品としても使われています。
更年期障害の処方箋医薬品として使われるのは、ヒトのプラセンタですが、サプリメント・ドリンク・化粧品などに含まれるプラセンタは、豚や馬のプラセンタです。
その他ハーブ・漢方など
他にも、更年期症状に対して用いられるハーブ・サプリメントはたくさんあります。
イチョウ葉、ホップ、当帰、月見草、朝鮮人参、バレリア、甘草、メハジキ、レモンバーム、自然薯など
ただ、どれも科学的根拠はありません。
病院での治療・医薬品・漢方
日々の生活が困難なほど更年期障害がひどい場合は、医療機関で受診してください。
ホルモン補充療法(HRT)
HRT(Hormone Replacement Therapy)は、更年期障害の治療として一番スタンダードな方法です。
低下したエストロゲンを補う治療法で、エストロゲン欠乏によるのぼせ、ほてり、発汗、気分の変調や関節痛など様々な症状を改善できるとして、世界中の多くの女性が使用しています。
HRTの治療法には、
- 飲み薬
- 貼り薬、塗り薬
がありますが、乳がん、子宮がん、血栓症の治療薬を服用している人、脳卒中や心筋梗塞を起こしたことのある人などは、HRT療法を行うことができません。
プラセンタ注射
HRT治療が行えない場合に選ばれることが多いのが、プラセンタ注射薬です。
プラセンタ注射薬は、更年期障害治療での保険適応が認められています。
※医療機関で使用されるヒトプラセンタは、「メルスモン」と「ラエンネック」ですが、更年期治療薬として保険適応が認められているのは「メルスモン」です
サプリメントなどとは違い、ヒトのプラセンタを皮下や筋肉に注射をする治療法です。
漢方薬
漢方薬は、体質を改善し、治癒力を高めることを目的としていることが多く、一般的に効き始めるまでに時間がかかるといわれています。
積極的な治療でない場合や、HRTやプラセンタ注射を利用できない場合に処方されることが多いです。
更年期障害で処方される漢方薬
漢方薬 | 効果効能 |
---|---|
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、めまい、立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り など |
加味逍遥散 (かみしょうようさん) |
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、不眠症 など |
桂枝茯苓丸 (けいしふくりょうがん) |
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、、肩こり、めまい、頭重、打ち身、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび など |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
不安神経症、神経性胃炎、せき、しわがれ声、のどのつかえ感 など |
温清飲 (うんせいいん) |
月経不順、月経困難、更年期障害、神経症、湿疹、皮膚炎 など |
漢方薬は、副作用が少なく安全だと思われがちですが、必ずしもそうではありません。
漢方薬は「好転反応」のようなものがあるからと、体調が悪くなっても飲み続ける方がいらっしゃいますが、漢方薬を飲みはじめてから体調がおかしくなった場合は、すぐにお医者さまに相談しましょう。
抗不安剤・抗うつ薬
気分の浮き沈みが激しく、不安感や焦燥感が強い場合は、抗不安薬・抗うつ薬などの向精神薬を処方してもらうこともあります。
まとめ
女性はある程度の年齢になると、更年期による症状が大なり小なり現れてきます。
更年期の症状は様々で、「○○だから更年期障害だ」ということはありません。
もし、思い悩むほどの更年期障害の可能性があるのであれば、医療機関(婦人科)に行ってみることをオススメします。
恥ずかしいことではありませんよ。
薄毛・抜け毛の症状も、更年期が原因の一つである可能性もありますが、それだけではないかもしれません。
まずは、生活習慣を見直してみましょう。
規則正しい生活や、不足しがちな栄養素を積極的に食事に取り入れるのもよいでしょう。
また、サプリメントを利用するのもオススメです。
サプリメントは、選び方・使い方を間違わなければ不足しがちな栄養素や、普段の食生活では取りにくい栄養素を手軽にとることができます。
薄毛・抜け毛で悩んでいる方専用のサプリメントもありますし、更年期系サプリメントであれば、美容によい成分が多く含まれているので、アンチエイジング効果も期待できますよ。